○今回のシンデレラガールは、詞を書いたこともなければ、あえて書こうと思ったことも
とくになかったと淡々と語る、音楽が大好きなごくふつうの女子高生でした。
自分の好きな音楽について熱く語る素朴な17歳のもつ魅力に、現場にいた誰もが
そのきらきらした若者らしい可愛らしさに魅了され、その詞のできあがった背景に
納得してしまったのでした。
そんな彼女、三日月さんと河口さんの和やかな対談レポをお送りします。
――――まず最初に、応募の時のサイトの文章にもありましたが、今回女性とコラボレーション
しようと思ったきっかけはどんなことだったんでしょうか。
河口恭吾さん(以下、河口恭吾):去年、スキマの真太郎君と一緒にアルバム作ってまして、ふたりで
詞も曲も書いてたんですね。そのときにこういろいろ女性の登場人物の心情みたいなものを、
たぶんこういうシチュエーションだったら女性はこうするんじゃないか、こう思うんじゃないか
っていうことを話し合ってて、でもそれがなんだかちょっと滑稽に感じた瞬間がけっこうあったん
ですよね。これはもうあくまで想像なので。
で、ほんとのリアルな女性の気持ちだったり心情っていうのは一体どうなんだろうなぁって
思ったのがまずきっかけで。
それからこの今回のWOMANINGっていうタイトルにもありますけど、いろんな各界で活躍する
女性に詞を書いていただいて、女性に直接書いてもらったものをぼくはなんていうのかなこう、
語り部じゃないですけど媒介者として伝えるというのをやりたいなと思ったんですよね。
――――実際2000通近く応募があって、いくつか選んでいただきましたが、想像してたのと
違って面白かったなっていう部分がありましたか?
河口恭吾:送ってくださった曲はやっぱり失恋の曲が非常に多くて、自分の感傷的な内容っていうのが
多かったですね。
――――その中でも三日月さんの詞は現在進行形の内容ですね。
河口恭吾:三日月さんの詞は、言葉づかいが非常にひっかかるんですよね。
ふだん自分で詞も曲も両方作るんですが、僕自身が使わないボキャブラリーを非常に持っているなと
思って。ディレクターもプロデューサーも僕もこれがいいよねって意見が一致して。
使ってるワードはそんなに特別っていうわけではないんですけど、そこでその言葉を使うことの
新鮮さみたいなものがやっぱり切り口として新しいというか、新鮮に飛び込んできたんで、
みんなやっぱり彼女の詞に食いついたんですよね。
――――では河口さんだけじゃなくて、ほかの方も三日月さんの詞がいいとおっしゃってたんですね。
河口恭吾:今回の企画を立てられたプロデューサーと、片野さん(WOMANING制作ディレクター)と僕で、最終審査は選んでたんですが、もう全員一致でこの詞を選んでましたね。
――――たくさんの応募の中から全員一致で選ばれたそうですよ。
三日月さん(以下、三日月):うれしいです。
――――三日月さんは普段は作詞はしないんですか?
三日月:とくにしてないですね。
――――これを書いていたときに考えていたことってありますか?
三日月:あんまりストレートじゃないほうがいいなと思ったんです。書く言葉が。
自分が聴く音楽もあんまりストレートな歌詞が少ないので、それに影響されつつ、でも河口さんが
伝えたいのはリアルな女性の気持ち、っていうところで、シュールすぎずに、ストレート
すぎずに・・・っていうのは考えて書いた記憶があります。
――――河口さんが言う言葉の使い方、みたいなところで気をつけたことってありますか。
三日月:とくにないと思うんですけど・・・自分でぱぱっと思いついた言葉をならべて。
曲を作るときに同じ音、同じフレーズにのせるときにのせやすいように作るかなと思って。
――――三日月さんは普段、自分の好きな音楽を聴くときは、詞に最初に興味がいきますか。
曲に興味がいくのかとかあったりしますか?
三日月:どちらかといえば音、ですかね。バンドが基本好きなので、ギターがよく鳴ってるのが好きで。
そのあとにメロディー、詞はけっこうあとですね。
すぐ伝わってくるような、たとえば「好きです」とかそのまま言ってしまうようなのは
あんまり聴かないです。
――――あんまり直接的に言葉でわかるようなものは聴かないと。
時代に逆行してる感じですね。いま分かりやすいのが流行ってるみたいですしね。
三日月:そうですね。友達ともあんまり趣味があわないんです(笑)
――――最近はどんな音楽を聴いてますか?
三日月:基本はスピッツで、最近はユニコーンとか、クロマニヨンズとか、そのへんですね。
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