○三日月さんの詞をもとに河口さんが受け取ったイメージで、最初に出来上がったデモ音源。
応募された時点ではタイトルすらなかった(!)詞に音がついて、楽曲として生き始めます。
河口恭吾:(デモ音源を聴きながら)方向性として、固めていく途中の段階、アレンジに入る
一歩前の段階はこんな感じでした。
――――いかがですか?
三日月:かわいいです!ステキなメロディーをつけていただいて・・・すごいうれしいです。
河口恭吾:部活がクラシックギター部だって聞いたんだけど曲は自分で作ったりするの?
三日月:作らないですね。でも友達とふざけて作ったりしたのはありますけど。
河口恭吾:曲も書いてみたらいいのに。(今回の)こういう感じで、言葉のリズムがあるものを
書けるから、曲にのせるのもできそうだよね。友達に送ってみたりとか。
三日月:じゃあいつかチャレンジしてみたいです。
河口恭吾:逆にこの、一番最初に書いた元の詞に曲をつけてみたりしたのも聴いてみたいですけどね。
三日月:どうでしょうかね。作れるでしょうか・・・作ってもすぐ(曲を)忘れちゃうし。
録音する機材をもってないので。
河口恭吾:そうなんだ。こういうのでいいんだよ(取材用のボイスレコーダーを指して)
三日月:そういうのももってないです。
河口恭吾:そうなんだ。ケイタイの留守電とか?ipodで録音できますよね今。
三日月:ipodも持ってないんです。
河口恭吾:珍しい!
三日月:MDまでで止まってますね。気づいたら文明が進んでたみたいな(笑)
(一同笑)
河口恭吾:それって、クラスの中でipod持ってる子のほうがいま多いの?それとも三日月さんみたいな
ほうが多いの?
三日月:いや、やっぱりipodのほうが多いと思いますね。
河口恭吾:やっぱそうなんだ。あんまり機械は好きじゃないみたいな感じ?
三日月:パソコンはすごいやりますけどね。
河口恭吾:じゃあパソコンで録音できるじゃん。
三日月:や、そのパソコン自体も古いんでたぶん・・・できないです。
河口恭吾:でもフリーウェアのソフトがあればマイク端子つっこんで・・・
三日月:もうぜんっぜんわかんないです。(ネットを)やるだけなんで。そんな高度な技は・・・(笑)
河口恭吾:そっかー・・・・なにげに瞬間的にわいてきたものを瞬間的に出す、みたいな刹那的な感じですね。
――――それをうまく記録して拾っていったら、すごくいい作品が生まれそうですよね。
河口恭吾:でも逆に、あまり深く考えないからこういういい作品が生まれるのかもしれないですよね。
選考段階で話してたんですけど、応募されてくる方って詞っていうものをすごく意識して
書かれてる方が多くて、それだけで完成しているというか、なんて言ったらいいんだろう・・・
詞で使う言葉として、割とよくある感じのものが多いなっていう印象が選んでいるときにあって、
なのでそういう感性の違いみたいなものが僕らの中で三日月さんの詞ですごくひっかかったというか。
――――いかにも女性、っていう感じの詞じゃないんですけど、すごく女性がきゅんとする感じが
出てますよね。想像をかき立てられる部分っていうのがありますよね。
河口恭吾:言葉のセンスがやっぱいいんですよね。他の人にはない、新しい感じでね、やっぱり目を
ひきましたよね。本は読んだりしますか?
三日月:本ですか・・・人並みに読みますけど、そんなに読まないです。
河口恭吾:小説とか。
三日月:読んだけど・・・人並み、です。
河口恭吾:やっぱ(性格的を鑑みて)時代に逆行してるから、ケータイ小説なんて読まないでしょ?
三日月:ぜんぜん読まないですね。あれはダメですね。文章じゃないし。
河口恭吾:ダメですか!(笑)
三日月:1ページとか2ページ読んだんですけど、まず本なのに横書きっていうのがダメで。
あと文章が1ページに数行しか書いてないのとかあって、え?ってなって。
河口恭吾:じゃあ好きな作家さんとかいる?
三日月:さくらももこが好きです。
河口恭吾:ちびまる子ちゃんの人だ。
三日月:ぜんぜんアニメと違う感じで、エッセイとかすごく面白いです。
河口恭吾:そうなんだー。三日月さんて、もうすごいいっぱい詞を書いている人なのかなぁと
思ってたらぜんぜんそんなことないんだよね。
三日月:はい。ぜんぜん書かないですね。
河口恭吾:で、これきっかけでなんか書いてみようっていう感じでも特にない?
三日月:うーん、
河口恭吾:や、ぜんぜんいいんだけどね、なんかね、もったいないっていうか。
三日月:書いてこなかったというか、こう何か見て、ぽんとこういう感じの詞にしたらいいなって
いうのはよく思ったりはするけど、それを特にメモにとったりはしないですね。
河口恭吾:せっかく才能あるからそれを伸ばしていって、や、これでプロになるとかじゃなくて、
ずっと伸ばしていったらなんていうかいいことがありそうな気がしますよ(笑)
三日月:いいことが(笑)書いてみたいっていうのはありますけどね。
河口恭吾:もし本人にその気があるなら、どんどんやったほうがまた違う人生の扉が開くような
気がする。ただこれがね、プロの作詞家に・・・とかって話になると、いろんな大人がいろんな
ことを言ってくるから、せっかくこういう繊細な世界観っていうのが、曲としてまとまっていく
過程で、だんだんつまらないものになりがちだったりするじゃないですか。
――――(三日月さんの感性を)そのまんま生かしていきたいって感じですか?
河口恭吾:そのまんま、っていうか・・・でもいろいろ踏んだり蹴ったりされながらたくましく
育っていくっていう人が本物のアーティストになれるとも思うので・・・絶対光るものは
持っていると思うし、やりたいっていう気持ちがあるんだったら積極的にやるといいと思います。
三日月:ありがとうございます。
河口恭吾:メロが先にあって、そこに言葉をはめていく作業、っていうのはやったことありますか?
三日月:同時進行って感じですか?友達とふざけて作ったのならありますけど。
河口恭吾:洋楽とか、ありものの曲を替え歌みたいにしてみたらいいと思う。
俺はやったことないんだけど(笑)
三日月:あー、そういうのよく聞きますね。
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